chord3.h

製作者:みづぃんこ(ryu0218_@hotmail.com


目次

『第一章:なが〜い前置き』
『第二章:実際の使い方』
『第三章:実はこんなものがあてがわれてます』
『MEMO』

(*sample2フォルダに、chord3.hをフルに活かした曲、test_01.mml 及びtest_03.mmlが収録されています。)


『第一章:なが〜い前置き』

…とても長いので、
「うざい」「すぐにでもインクルードファイル試したい」とゆー方は、この項目からご覧下さい。
…ってな訳で一通り遊び終わった方は、下記とU章以降を読みながら、コーヒー片手に暇潰しでも。(「コーヒーは泥水である以下候」派の方は紅茶・緑茶でもいーです)
気長な方はいきなり読んでいただいても構いません。
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基本的にやろうとしている事は、{場当たり的に関数を呼び出してもある程度コード機能の裏付けがある進行になる}ものを作ろうとしています。

どんな簡単な理論書でも載っている
「T(トニック)」
「SD(サブドミナント)」
「D(ドミナント)」
という三つの種類を覚えるだけで、現在のポップスやジャズ、フュージョン、シーケンシャル(シンセ音楽)等のコードがポンと出せる…とゆーのが目標です。
例)一般的なコンボ
T → D  → T
↓   ↑    ↑
→ → SD → ↑
※ジャズ・フュージョン等ではDからSDもアリ

通常、この三つだけだと非常にシンプルなコードしか出せないとされています。「コードを勉強して複雑なハーモニーを理解
したい」「いつでも自分の曲の中で出せるようにしたい」とゆー人は、ある程度色々勉強するものですが、少し勉強した
だけだとあまりにもシンプルな進行しか出せないという事に気付き、そこで挫折するケースが多いと思います。

私も勉強する前は「こんなに覚える事が多いのに、出せるハーモニーはこんなにもシンプルなものしかないのかっっ」
と、半ば呆れ半ば失望したものです。 ←努力不足棚上げ

何より大変だったのは、理論書に書かれた事を、いちいち慣れない鍵盤に向かって、指をプルプルさせながら確認する作業。大変時間がかかり、楽器を弾かない人間が読み下そうと思ったら一冊読破する前に人類が滅亡してしまい肝心の聞かせる相手が居なくなっていたとゆー事態に陥りかねません。



音楽を志していても楽器を弾いてるとは限らないのが昨今の現状で、逆に考えれば末代までの借金を背負ってまで高価な楽器を手に入れなくても音楽を楽しめる権利を得られるようになったという事です。(自分も上記の全てに「ばっちり」当てはまってます)

しかし、コードだけだったらchord.hみたいなマクロを組んで入力するだけで確認出来ます。しかしいざ「曲を作ってみよ〜」「ある曲を解析してみよ〜」という時、結局はどのコードを使っていいのか解らなくなります。(少なくとも種類として「12半音×コードの種類」とゆー膨大な中から選択しないといけなくなります)

…かといって理論から作ればどーでしょうか。

一般的にはCメジャーやCマイナーの場合、すぐ使えるコードは
Major C,F,G
Minor Cm,Fm,G
くらいしかありません。これは
C,Cm → T(トニック)
F,Fm → SD(サブドミナント)
G    → D(ドミナント)
とされているからですが、「じゃあ他にはないのか」という場合「無い」「転調すればいい」としか言えません。もし、この他の響きを使いたいとなったら「代理コード」なる少々難解な概念を覚えるしかないのです。

MMLやシーケンサーは絶対音程指定です。いきなり音程を打たなくては(打てなくては)なりません。
理論書を読破して概念を丸暗記し、絶対音程で入力するしか方法が無かった故、その先へ進んでいく人があまりにも少なかったという背景があるように思えます。高機能アレンジャーというようなソフトには「現在のコードがどういう機能を司っているか」という解析機能は持っていますが「コードを機能で指定」といった逆指定が使えるものは確認している限りあまり無いのが現状です。

もしあっても、大概「試しに買ってみるかな〜」とゆー値段ではありません。清水から飛び降りて複雑骨折くらいならまだいーですが値段によっては「骨ごとミンチ」です。



勉強したいな〜、と思っている人にとっては過酷な状況です。
音楽ソフトには「アカデミーパック」なるものは存在しないし、私なんぞは学生ですらありません。(学生の時でもこのよーに弁舌口調だったので「私、学生なのです」と言って学生証を出しても映画館のチケット売り場にいるおねーさんから好意的な笑みが帰って来る事はありませんでしたが)

要するに、
「コードを指定」→「指定されたコードの機能を表示」
とゆーのでは指定出来るコード範囲が広すぎる為、ローラー作戦が取れないのです。

私はこれを逆に考えて、
「機能を指定」→「指定された機能のコードを出力」
とゆー流れであれば、ローラー作戦でもたった3種類やれば次の小節へ進めるのではないかと思い立った訳で、今回のインクルードファイルを組んでみることにしたのです。理屈は後から覚えれば良い、とゆーやりかたです。

まず覚えるは耳。耳でハーモニーの種類を覚えた方が絶対に速い筈です。

…ただしこの関数を使い過ぎると自力での解析が難しくなってしまうので、たま〜に暇をみて原理を調べてみましょう。かく言う自分も勉強中の身なので、どこか間違えてるかも知れません。そんなときは「極小水棲生物がっでむごーほーむ」とゆー暑いパトスを私にぶつけて下さい。



さて。覚える事と言えば、

1.TはSDにもDにも行ける
2.SDはDに行ける 又はTに帰れる
3.DはTに帰る (例外:ジャズ進行でSDに帰る場合もある)

とゆー三角関係(?)だけです。

理論書のいっっっっっっちばん頭に載っているよーなコードを、

  例)超基本が…

  T1(!1); SD1(!1); D1(!1); T1(!1);
  展開後:
  <c0>e0g0>c1< /* C
  <d0>f0a0>c1< /* F
  <g0>d0g0b1 /* G
  <c0>e0g0>c1< /* C

…と、これの数値を変えただけで

  T3(!1); SD3(!1); D3(!1); T3(!1);
  展開後:
  <c0>e0g0b0>c1< /* C major7
  <d0>d0f0a0>c1< /* D minor7 F△7の代理コード
  <g0>d0f0g0b1 /* G 7 属7の和音
  <a0>e0g0a0>c1< /* A minor7 C△7の代理コード

  ※△=メジャー

リマークにあるような専門用語付きのコードに置き換わります。(専門用語では「リハーモナイズ」といーます)
ローラー作戦で数値をどんどん変えていけば、理解の範囲を超えた複雑なハーモニーを使用する事も可能で、理屈が解らなくても「機能的には裏付けがあるコードを使っている」安心感がもてると思います。



斬新なコード接続が欲しいあなた。

そろそろコピーに飽きてきたあなた。

「安い(若しくはタダ)音楽関数電卓みたいなのないかな〜ははっ
そんな自分にばっか都合いーアプリなんてねーよな」と諦めている
あなた。

格好つけてノートPC片手に仕事の打ち合わせに望んだのはいーが専門用語が通じない相手とうまくコンセンサスを得られなくて実演もかなわず結局いつも世間話で終わってしまうとお嘆きのあなた。

当て勘で選んだハーモニーの曲を収録スタジオに持ってってエンジニアさんに愚痴られたあなた。

バンド仲間に「最近進行ワンパじゃん」と言われて切ない思いをしたあなた。

そんな思いをして「勉強しよー」と心に誓いつつ理論書を買う金が出せないのでしゃーなしなしに本屋で立ち読みに入ったのはいーが専門用語の意味が解らず恥ずかし〜のをこらえて隣にある「可愛いイラスト入り」の本に手を伸ばしたにも関わらず完全には解らなくて
「ちっっっくしょおぉぉぉフリーザァァァァァ〜〜〜(C)鳥山明」と
叫びながら涙をほとばしらせて本屋から裸足で逃げ出したあなた。

そー。そこのあなたです。
(え。私? 全部じゃないですよ〜。私は三番目と五番目と最後です)

今こそ、SAKURAとこのインクルードファイル、
「らくちんぷろぐれっしょん・コード進行陽性ギプス」
で煮詰まった頭にカツを入れましょう。



ここからは「解り易いんだか解り難いんだか解らない」構造の説明。



このインクルードファイルがちゃんと動作するならば(おいおい)、

記述:

種類??(Len,Inv,Bass,SecD_SW,SecD_Len,TwoF_SW,TwoF_Len)

種類 = T,SD,D(SDM,他(キメラ・分数コード)等)
?? = No.
Len = コードの長さ(クロック指定したい場合は ! を付ける)
Inv = トップノートの高さ(回転) 値は−3〜3
Bass = ベース音消去スイッチ(1で消音)
SecD_SW = セカンダリドミナントスイッチ(1でオン・2で置換ドミナント)
SedD_Len = セカンダリドミナントの長さ(同 Len)
TwoF_SW = トゥーファイブスイッチ(1でオン)
TwoF_Len = トゥーファイブの長さ(同 Len)

という高度理解者(に、あたかもなってしまう)スイッチが役にたつ
でしょう。高度理解者風にしたい!と思った時には、普段省略して
いる引数の後ろに適当なスイッチを指定していくだけです。
(要らないパラメータは省略して下さい)

  例)一見なんの変哲も無いT,SD,D,Tですが…

  T3(!1); SD2(!1,,,1,!2,1,!2); D3(!2,,,2,!2); T3(!1);
↑ ↑      ↑
  展開後:
  <c0>e0g0b0>c1< /* C major7

  <g0>d0f0g0a+2< /* G minor7 C7のUX化&挿入
  <c0>e0g0a+0>c2< /* C 7 F△7のセカンダリ挿入
  <f0>e0f0a0>c1< /* F major7 ↑へ命令

  <g+0>d+0f+0g+0>c2< /* G#7 G7の置換ドミナント挿入
  <g0>d0f0g0b2 /* G 7 ↑へ命令

  <c0>e0g0b0>c1< /* C major7

ね。簡単な書き方だったのに「10年も勉強したかのよーな(当社比)」
7Hitコンボに変わってしまうのです。

セカンダリードミナントコードというのは、指定した機能コードを
「仮にそのコードのルートがT(トニック)だったら?」と仮定して、
その直前にD(ドミナント)を付けてしまうとゆー「瞬間転調技」
です。例えば、

  T4() = Ym7(C調の時はAm7)

を指定した場合に「これがAマイナー曲だったら?」と強引にこじつけて、「これの前にはE7が来る筈だ」と推理しAm7の前の小節に「Am7のドミナント7であるE7を挿入」する…という事です。

Cメジャーの場合、E7とゆーコードは「E,G#,B,>D<」となるのでG#が入っている故「調性外(白い鍵盤だけでは表現不能)」と判断されてあまり使われないコードですが、Am7の直前に差し込むと案外自然に聞こえるのです。
聴いた感じでは、

  例)実際の表記
  T3(!1); SD2(!1); T4(!1,,,1,!1);

  例)
              ↓挿入  ↓主人
  C△7 → F△7 → E7 → Am7 …だった場合

  C△7 → F△7 = T  → SD = 「うんうん」
  F△7 → E7  = SD → ?? = 「あん?」
  E7  → Am7 = D  → T  = 「あーなるほど。うん」

…とゆー感じになります。(政府と同じで事後承諾OK〜)

転調するには転調部の直前で、転調したとき不自然な感じを残さない為に色々複雑な手続きを踏んでコンパウンドするものですが、瞬間転調する度にそんな事をいちいちやっていたのでは職安も閉まってしまいます。

ただ、これをやるために「えーと、今のコードがこれだから、4度下の7thは〜…」と毎回毎回考えていたのでは大変です。やる気も萎えるので、スイッチ一つで出来るようになったら普段は面倒臭くて「白鍵音階(ダイアトニックスケール)」しか使ってなかった人も多少冒険してみよーかな、と思えると思います。



次にUX(トゥーファイブ)スイッチです。

UXとは、その名の通り「Um7からX7のコンボ」の事です。

原理は、従来ならSD→D(「W→X」や「W△7→X7」)としているものをSDの代理コード(W△7を左へ回転させてUm7)で、SD→D(Um7→X7)と置き換えるものです。

  回転)
  SD=W△7=FACE → Eを取ってDに → DFAC=Um7=SD
  お取替え)
  SD→D=W△→X7  …これを
  SD→D=Um7→X7 …に換える

こうすると、コードの移動幅が4度上になるので強進行(結び付きの非常に強い進行)となるのです。

  参考UX)
  SD3(!1); D3(!1); // トゥーファイブモーション

「代理コード」とは、「大体同じ音で出来たコードを代わりに使う」とゆー意味です。白鍵盤で考えると解り易いです。C△7(CEGB)とEm7(EGBD)は似てますね?(EGBが同じ)
ただ、なんでもかんでも一音足したり引いたりして無造作に作れる訳ではないので注意してください。間違えると「痛た切ない」です。

…UXの話に戻ります。

理論では「ドミナント7が出てきたらいつでもUXを使ってい〜よ」としているので、「だったらセカンダリの前に置いちゃってもいー訳ね?」と拡大解釈しようという訳です。

つまり先ほどの「セカンダリドミナント7」を更にUXコンボに換えてしまうのです。

関数で指定したセカンダリドミナント挿入に対して、更に前の小節へUm7をくっつけちゃおう…とゆースイッチです。
さっきの例を発展させます。

  例)実際の表記
  T3(!1); SD2(!1); T4(!1,,,1,!1,1,!1);

 
 例)
              ↓挿入   ↓挿入  ↓主人
  C△7 → F△7 → Bm7 → E7 → Am7 …だった場合

  C△7 → F△7 = T  → SD = 「うんうん」
  F△7 → Bm7 = SD → ?? = 「あん?」
  Bm7 → E7  = SD → D  = 「お〜、UXだったか」
  E7  → Am7 = D  → T  = 「あーなるほど。うん」

このよーに、多少強引に突っ込んでも事後承諾で聞いた感じOK〜…
…だそーです。




更にセカンダリドミナントスイッチで2番を指定すると「裏コード」にリハーモナイズされます。裏コードは別名「置換ドミナント」と呼ばれ半音進行したい時によく使われる拡大解釈コードです。(ちゃんと原理がありますが、更に専門用語を使う羽目になるので省略。増四度トライトーンのケーデンス解釈うんぬんです)
よーするにドミナント(X7:C調ではG7)の代わりに差し込んじゃえるコードです。

普段は

  D(G7)  → T(C△7)

とゆー感じですが、先ほど説明したセカンダリドミナント7を更にこれへ置換しちゃうのです。

  D(C#7) → T(C△7)

単純にセカンダリドミナントの仮X7が仮U♭7に置き換えられます。

  例)実際の表記
  T3(!1); SD2(!1); T4(!1,,,2,!1,1,!1);
例)
              ↓挿入   ↓挿入   ↓主人
  C△7 → F△7 → Bm7 → B♭7 → Am7

  C△7 → F△7 = T  → SD = 「うんうん」
  F△7 → Bm7 = SD → ?? = 「あん?」
  Bm7 → B♭7 = ?? → ?? = 「うおっ?」
  B♭7 → Am7 = 裏D → T  = 「あーなるほど。うん」
よく駅などに「チカンは犯罪です」とかゆーポスターを見ますがびびらずにどんどん使いましょう。



あまり無責任に使ってしまって、「あ゛〜。どの音使ってメロを組めばいーのか解らん〜。調べるのが面倒臭い〜」とならないように、その時、どの音なら使えるのかというのを鳴らしてあげる為のスイッチを「増設」する予定。



意見があったらどんどんお寄せ下さい。

みづぃんこ
ryu0218_@hotmail.com

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